最近、高齢の親が歩行に困難を感じている方に朗報です。
最新の研究によると、複合高周波EMS（Electrical Muscle Stimulation）が高齢者の歩行能力を大きく改善することが分かりました。
このブログでは、その具体的な内容と効果をご紹介します。
ロコモティブ症候群とその影響
高齢者が歩行に困難を感じる原因の一つに「ロコモティブ症候群」があります。
これは、運動機能の低下により歩行が困難になる症状です。
最近の研究「運動器症候群に対する複合高周波EMSの改善効果 -歩行速度と開眼片足立ちに関する検討-」（森下竜一、橋弥尚孝、横山幸三、桑畑亮嗣）では、この問題に対する新しいアプローチが示されています。
複合高周波EMSの効果とは？
EMS（Electrical Muscle Stimulation）は、電気刺激を使って筋肉を強化する治療法です。
複合高周波EMSは、低周波と高周波の電気刺激を組み合わせたもので、深層筋と表層筋の両方を効果的に鍛えることができます。
研究の方法
この研究では、複合高周波EMSを使って、以下の筋肉群にアプローチしました。
腹部：腸腰筋
腸腰筋をターゲットに、腹部に電極を貼り付け、深層筋と表層筋を同時に刺激。
大腿部：大腿四頭筋
大腿四頭筋にも同様に電極を貼り、筋肉を強化。
EMSは週に2回、1回30分のセッションで実施されました。
研究の結果
3ヶ月間のEMS治療の結果、高齢者の歩行速度が約36%向上し、片足立ちの時間は約3倍に延びました。
これにより、筋力低下がみられる高齢者においても、バランス能力が大幅に改善されました。
EMSのメリットと実際の使用例
安全性
EMSは痛みが少なく、ストレスが少ないため、高齢者でも安心して利用できます。
転倒予防
腸腰筋や大腿四頭筋の強化により、バランスが良くなり、転倒リスクが減少します。
認知機能のサポート
有酸素運動の効果も期待できるため、認知症やうつ病の予防にもつながる可能性があります。
まとめと推奨
複合高周波EMSは、高齢者の歩行能力や筋力、バランスを大幅に改善する効果があることが最新の研究で証明されました。
家族の高齢者が歩行やバランスに不安を感じている場合、この効果的なトレーニング方法を検討してみる価値があるでしょう。
安心して使える方法で、親の健康を守りましょう。
【参考文献】
森下竜一、橋弥尚孝、横山幸三、桑畑亮嗣：運動器症候群に対する複合高周波EMSの改善効果 -歩行速度と開眼片足立ちに関する検討-,Anti-aging Science,9(1),25₋31,2017
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