野球選手の体幹筋に起こる左右差と効果的な鍛え方

野球と深層筋 上半身インナーマッスル

野球はピッチングやバッティングといった片側の動作が多く、体の左右で筋肉の発達に差が生じやすいスポーツです。
特に体幹筋に左右差が現れることが研究で示されており、成長期の選手にとってこの不均衡を改善することは、怪我の予防やパフォーマンス向上に不可欠です。
体のバランスを整えるための具体的なトレーニングやアイテムについて、以下で詳しくご紹介します。

成長期に現れる野球選手の体幹筋左右差

高校生や大学生の野球選手において、体幹筋の左右差が見られます。
特に大学生では、腹横筋内腹斜筋といったインナーマッスルが、利き手側で顕著に発達しています。
一方で、高校生の段階ではアウターマッスルが優位に発達していることが確認されました。

高校生がアウターマッスル優位になる理由

高校生がアウターマッスル優位になるのには、いくつかの理由があります。

成長段階

高校生は成長期の真っ最中で、身体が発達している途中です。
この時期は外見上の力強さを意識しやすく、アウターマッスルが鍛えられる傾向があります。

トレーニングの内容

高校のトレーニングプログラムは基本的な筋力トレーニングに重点を置くことが多く、腹直筋などのアウターマッスルに焦点を当てることが多いです。

運動習慣の違い

この段階では、全体的な身体のバランスや体幹の安定性よりも、競技のパフォーマンスに直結する動作に重きを置くことが多いため、外側の筋肉が多く使われます。

動作の特性

ピッチングやバッティングの特定の動作を繰り返すことで、特に利き手側のアウターマッスルが発達しやすくなります。

野球における大幹左右差がもたらす影響とは

体幹筋に左右差が生まれることは、競技パフォーマンスを向上させる一方で、怪我のリスクを高めることがあります。
特に、体のバランスが崩れやすくなり、腰痛や肩の痛みなどのトラブルが生じることがあります。

バランスの良い筋肉の発達を目指すためには、両側の体幹筋を均等に鍛えることが重要です。
成長期の選手は体がどんどん変化している時期なので、偏った筋肉の使い方を避けるためのトレーニングが必要です。

効果的な体幹トレーニング法とおすすめアイテム

バランスボードを活用したトレーニングは、体幹の左右差を少なくし、バランスよく鍛えるための有効な方法です。
過去に書いた「トップアスリートに変身!ゴールデンエイジ後の姿勢トレーニング法」で紹介したように、バランスボードを使った姿勢制御トレーニングは、インナーマッスルとアウターマッスルの両方を効果的に鍛えることができます。

幼児期向けアイテム

SCAMPバランスボード


「SCAMPバランスボード」は、現役の幼児体育指導員 鈴木雅人氏と共同開発され、幼児の運動能力と創造力を高めるデザインが特徴です。
バランス感覚や体幹を鍛え、重心移動や力の調整を自然に身につけることができるため、運動神経の発達に効果的です。
特に5歳までに80%、12歳までにほぼ100%完成する神経系の成長に合わせ、幼児期から運動を通じて神経を刺激することが重要です。

バランスボード8


「バランスボード8」は、4歳からのお子様向けに設計された体幹とバランス感覚を鍛えるトレーニングツールです。
軽量なPE素材で作られており、サイズは幅56cm、奥行き18cm、高さ13cmとコンパクトです。
耐荷重は約50kgで、安心して使用できます。
特徴的な8の字型のボードで、ボールを転がしながら遊ぶ感覚で運動ができ、楽しみながら体幹やバランス感覚、筋力を向上させることができます。
ボールを動かすスイング運動は、難しいけれども楽しく、飽きることなく続けられる工夫がされています。

初心者~中級者向けアイテム

バランスディスク


初心者におすすめしたい「バランスディスク」は、筋力や体幹トレーニングに最適です。
空気量を調整することで、負荷を自分に合わせて簡単に変えられ、片足バランスやスクワットなど様々なトレーニングが可能です。
耐荷重200kgと安心設計で、自宅やオフィスでも手軽に使えます。
コンパクトサイズで、場所を取らずに続けられるので、これからトレーニングを始める方にぴったりです。

Lino Mirai(リノミライ) バランスボード


初心者に最適な「Lino Miraiのバランスボード」は、体幹やインナーマッスルを強化するのに理想的で、ゴルフやサーフィン、スケートボードなどバランス感覚が求められるスポーツにぴったりのトレーニングツールです。
自宅でも手軽に使え、テレワーク中の体力維持にも効果的。
落ち着いたアースブラウンやライトブルーのデザインは、どんなスポーツギアとも相性抜群です。
直径41.5cm、高さ9cm、耐荷重200kgでしっかりとした構造。
素材はプラスチックとゴムを使用しており、安定感と耐久性も抜群です。

中級者~上級者向けアイテム

バランスボードPRO


上級者向けの「バランスボードPRO」は、体幹を集中的に鍛え、バランス能力を飛躍的に向上させるために設計された高機能アイテムです。
サッカーや野球、バスケットボールなど、幅広い競技のトレーニングに最適で、特にサーフィンやスノーボードなどのボードスポーツに効果的です。
マットグレイの天板とブルーの底板でスタイリッシュなデザインが特徴。
体幹トレーニングや柔軟性の向上、姿勢改善にも役立ち、運動不足を感じている方にもおすすめです。
材質は木製ボードと硬質ポリウレタン製のローラーと台座を使用し、サイズは80cm×21cm×11cm、重量3.6kgと、安定感と耐久性を備えた構造になっています。

INDO BOARD(インドボード)


アメリカのサーフスクールの80%以上で導入され、プロアスリートにも支持されているトレーニングツールです。
サーフィンやスケートボード、スノーボードといったボードスポーツに必要なバランス感覚を養うのに効果的で、さらに体幹や脚力を強化することができます。
プロサーファーの五十嵐カノアやトム・キャロルをはじめ、メジャーリーガーやプロサッカー選手、NBA選手、オリンピック選手など、世界中のトップアスリートがトレーニングに取り入れています。

バランスボードを使ったトレーニングは、姿勢制御能力の向上に加え、全体的な運動能力の向上にも寄与します。
詳しいトレーニング方法や効果については、ぜひ過去のブログをチェックしてください

成長期に取り入れるべき大幹トレーニングの注意点

成長期の選手にとって、無理のないトレーニングが大切です。体が急速に成長している時期に、左右のバランスを考えずにトレーニングを続けると、怪我の原因になります。
特にインナーマッスルを鍛えることで、姿勢や動作の安定性を保つことができます。

左右差を少なくすることは、長期的な競技パフォーマンスの向上や怪我の予防にも繋がります。
成長期に適したトレーニングを取り入れ、野球選手としての基礎をしっかり作りましょう。

【参考文献】

和智道生, 菅唯志, 樋口貴俊, 御前純, 田中大智, 土金諒, 三宅悠斗, 伊坂忠夫:野球選手における体幹筋の筋発達および左右非対称性―大学生と高校生の比較―第51回日本理学療法学術大会抄録集, 43(2), 2016


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