私たちが普段デスクワークやテレビ鑑賞をするとき、背もたれのある椅子に座るのが一般的ですよね。
しかし、長時間背もたれに頼ると、背中が丸まりやすくなり、悪い姿勢が習慣化してしまうことも。
この姿勢の崩れが、腰痛や脊柱(背骨)の変形につながる可能性があるのです。
最近の研究によると、椅子に座っているときでも腹部や腰部の筋肉を少し意識的に使うことで、脊柱の安定性が向上し、良い姿勢を保ちやすくなることがわかっています。
今回は、その研究結果と姿勢改善に役立つ椅子をご紹介します。
体幹筋の役割と姿勢改善
体幹筋とは、腹部や腰部にある筋肉のことを指し、特に「腹横筋」や「内腹斜筋」「多裂筋」が重要とされています。
これらの筋肉を同時に軽く収縮させると、背骨が安定し、姿勢を保ちやすくなります。
研究によると、背もたれのある椅子に座っている時でも、体幹筋を少し意識して使うだけで、腰の曲がり具合が改善されることがわかりました。
このように、腹筋や腰の筋肉を軽く引き締めることで、長時間でも良い姿勢を保ちやすくなります。
体幹筋を意識することで起きる変化
具体的には、椅子に座った時にお腹を少し引き締めるイメージで体幹筋を軽く使います。
例えば「パンツのゴムからお腹を少し引っ込める」感じで、リラックスしながら軽く引き締めてみてください。
この動作で腹筋や腰の筋肉が働きやすくなり、背中が自然にまっすぐに保たれ、骨盤の傾きも整いやすくなります。
結果として、長時間の座り作業でも背骨への負担が減り、良い姿勢が保たれます。
おすすめの椅子
姿勢改善に役立つ椅子として、体幹筋を使いやすいように設計された椅子をご紹介します。
以下の椅子は、背もたれがなく、自然と体幹筋を使うことが求められるため、良い姿勢を維持しやすくなります。
バランスシナジー
独自の揺れ機能で自然に体幹筋を使わせるため、長時間でも腰への負担が軽減されます。
大人のデスクワークにも最適で、長く使うことで姿勢改善が期待できます。
バランスイージー
ヨガや乗馬の座り方を参考にしたデザインで、座るだけで自然に背骨がS字カーブに近づく設計になっています。
子供から大人まで使える調整機能も備え、家族全員で姿勢改善に取り組めます。
プロポーションチェア
骨盤を立てるデザインで、集中力が向上すると言われている椅子です。
正しい姿勢を保ちながら座れるため、勉強やデスクワークにおすすめです。
結論
デスクワークやテレビ鑑賞の時間を利用して、腹筋や腰の筋肉を少し意識してみましょう。
体幹筋を軽く引き締めるだけで、背骨の安定性が増し、長時間でも良い姿勢を保ちやすくなります。
また、姿勢改善に役立つ椅子を活用することで、さらに快適に健康を保つことができるでしょう。
【参考文献】
渡邉進, 江口淳子, 小原謙一, 石田弘. “背もたれ椅子座位において体幹筋同時収縮が脊柱彎曲に及ぼす影響.” 第43回日本理学療法学術大会 抄録集, 35(2), 2008.
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