皆さんは「腸腰筋(ちょうようきん)」という筋肉を知っていますか?
普段あまり意識することのない筋肉ですが、実は歩くスピードを上げたり、走るスピードを速くしたりする上でとても重要な役割を果たしています。
今回は、この腸腰筋の役割や、正しい歩き方・走り方のポイントについてお話しします!
腸腰筋ってどんな筋肉?
腸腰筋は、大腰筋(だいようきん)と腸骨筋(ちょうこつきん)という2つの筋肉から成り立っています。
この筋肉は、脚を前に振り出す動きをサポートし、歩いたり走ったりする際に活躍します。
ある研究によると、歩くスピードが速くなるほど腸腰筋の活動が早く始まり、より活発になることがわかっています。
特に、時速7km以上で歩くときや、速く走るときには腸腰筋の働きが一気に強くなるそうです。
速く歩く・走るためのコツ
腸腰筋を効果的に使うためには、脚を前にスムーズに振り出すことがポイントです。
そして、そのために重要なのが 骨盤の位置 です。
骨盤の前傾に注意!
骨盤が前に傾きすぎていると、脚が後ろに残りやすくなり、走るスピードが落ちてしまいます。
骨盤を適切な位置に保つことで、脚を前にスムーズに振り出すことができます。
「脚が勝手に前に出る」感覚をつかむ練習法
簡単な方法として、誰かに骨盤の下部を軽く後ろから押してもらいながら走ってみましょう。
この練習をすると、「脚が勝手に前に出る」感覚をつかむことができます。
腸腰筋は長距離走にも重要!
短距離だけでなく、長距離を走るときにも腸腰筋は重要です。
ケニアのトップランナーは、腸腰筋を活発に使い、脚を前に素早く振り出しています。
この走り方を学ぶことで、長距離でも速いペースを維持しやすくなります。
日本人選手の場合、ケニア選手ほど腸腰筋が発達していないと言われていますが、走り方を改善することでその差を埋めることが可能です。
健康寿命を延ばす腸腰筋のトレーニング
腸腰筋をうまく使えるようになると、日常生活での歩きやすさも向上し、高齢者の方でも転倒しにくくなるなどのメリットがあります。
日本人の健康寿命を延ばすためにも、腸腰筋を意識した歩き方・走り方を取り入れてみませんか?
まとめ
腸腰筋は歩く・走るを支えるとても大切な筋肉です。
この筋肉を意識したトレーニングや正しい動作を身につけることで、スピードアップだけでなく、日常生活での動きが楽になります。
骨盤を意識して、脚をスムーズに前に出す感覚をつかむ練習から始めてみましょう!
【参考文献】
治郎丸卓三.歩行と走行に着目した腸腰筋の役割.理学療法ジャーナル 第55巻 第6号, 2021年6月15日発行.
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