肩こりに悩む多くの人が、その原因を見逃しがちです。
実は、日常の姿勢や動作だけでなく、深層筋の機能不全も関与していることがあります。
特に、肩甲骨を支える菱形筋と首を安定させる頚長筋の問題が、肩こりを引き起こし、慢性的な不快感を生むことがあります。
本記事では、これらの筋肉の役割や、効果的なエクササイズ、ストレッチ、EMSを活用した解消法について詳しく解説します。
この記事を通じて、肩こりの根本原因を理解し、長期的な解消方法を見つける手助けになるでしょう。
菱形筋の機能不全で起こる肩こりの原因と改善策
菱形筋の役割と問題点
菱形筋は肩甲骨を背中に引き寄せる筋肉で、肩甲骨の安定に重要な役割を果たします。
しかし、この筋肉が正常に働かないと、肩甲骨が不安定になり、僧帽筋上部に過剰な負担がかかりやすくなります。
これは、自転車のハンドルがしっかり固定されていないと操縦が難しくなるのと似た状況です。
菱形筋を鍛え肩甲骨の安定性を高めるエクササイズの紹介
エクササイズ
「肩甲骨クローズ」などのエクササイズで菱形筋を強化します。
これにより、肩甲骨の安定が図られ、僧帽筋の負担が軽減されます。
ストレッチ
菱形筋や僧帽筋をストレッチして、筋肉の緊張をほぐします。
頚長筋の機能不全で起こる肩こりの原因と改善策
頚長筋の役割と問題点
頚長筋は首の奥に位置し、首の骨に付着して首の安定に寄与します。
この筋肉が弱くなると、首周辺の筋肉や関節に負担がかかり、広範囲にわたる痛みが生じることがあります。
頚長筋を鍛え首の安定性を高めるエクササイズの紹介
エクササイズ
頚長筋を含む首の筋肉を強化し、柔軟性を高めるエクササイズを行いましょう。
たとえば、首をゆっくりと前後に倒す運動や、頭を両手で支えながら軽く抵抗をかけるエクササイズが有効です。
ストレッチ
頚長筋や首周りの筋肉を優しく伸ばし、緊張をほぐします。
EMSの基本的な利用方法
EMS(電気筋肉刺激)は、菱形筋や頚長筋などの深層筋に直接アプローチし、肩こりの改善をサポートします。
筋トレやストレッチと併用することで、より効果的な肩こり解消が期待できます。
筋トレ後のEMS活用法
深層筋の刺激
インナーマッスルを効果的に鍛えるには、高い周波数が必要です。
具体的には、100,000Hz以上の高周波が推奨され、これにより電気刺激が皮下15cmまで届き、深層のインナーマッスルを効果的に刺激します。
筋肉のリラックス
最近の研究で、EMSが筋肉の疲れを取るのにとても効果的だということがわかりました。
EMSを使うと、筋肉が収縮し、疲れを引き起こす物質が流れやすくなります。
これが、疲労を早く取る手助けになります。
手軽な利用
自宅で簡単に使用でき、忙しい日常の中でも継続的なケアが可能です。
スマホ・PC利用時の姿勢改善で肩こりを防ぐコツ
- スマートフォン
背中を丸めずに高い位置で持ち、あごを引いて頭が前に出ないようにしましょう。 - パソコン
モニターを目線の高さに合わせ、キーボードを手前に置いて肩こりを予防する姿勢を意識しましょう。
【参考文献】
- 金岡恒治:首・肩・腕の痛み・しびれ自力で克服!名医が教える最新1分ほぐし大全,文響社,2023
- 安達玄:肩甲骨周囲筋トレーニング時の筋活動解析―深層筋の菱形筋に着目して―,スポーツ医学研究領域
- 清田 有希:筋疲労回復におけるElectrical Muscle Stimulation の最適刺激間間隔と周波数の検討,40,2,第48回日本理学療法学術大会抄録集,2013
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