腰痛に悩んでいる方は多いですが、その原因が「深層多裂筋」という筋肉にあることをご存知でしょうか?
深層多裂筋は、腰椎(腰の骨)の安定性を支える大切な筋肉であり、正しいトレーニングによって腰痛を改善する手助けをしてくれます。
今回は、深層多裂筋の役割とトレーニングのポイントをわかりやすく解説します。
深層多裂筋ってどんな筋肉?
多裂筋は背骨の近くに位置する筋肉で、「深層多裂筋」と「表層多裂筋」の2種類に分けられます。
• 深層多裂筋:腰椎を安定させる役割を持つ持久性の高い筋肉(遅筋線維)。
• 表層多裂筋:体を動かすためのパワーを生み出す筋肉(速筋線維)。
特に、深層多裂筋は腰部を安定させ、体の動きを支える役割を担っています。
この筋肉が弱まったり、うまく働かなくなると、腰痛の原因になることがあります。
腰痛の原因:深層多裂筋の働きの低下
腰痛の原因の一つは、腰椎が適切に安定しないことです。
深層多裂筋がうまく働かないと、以下のような問題が起こりやすくなります。
1. 過剰な動き:腰椎が安定せず、無理な方向に動いてしまう。
2. 負担の増加:腰椎にかかるストレスが増え、腰痛が悪化する。
また、深層多裂筋がうまく使われていない場合、表層多裂筋や他の筋肉が代わりに働き、体に歪みや負担が生じることもあります。
深層多裂筋を鍛える「モーターコントロールトレーニング(MCT)」
深層多裂筋を正しく鍛えるには、「モーターコントロールトレーニング(MCT)」が有効です。
このトレーニングは、筋肉の正しい使い方を学び、腰部の安定性を高めることを目的としています。
トレーニングのポイント
低負荷で行う
深層多裂筋は軽い負荷で鍛えることが効果的。強い負荷をかける必要はありません。
姿勢を意識する
背筋を伸ばし、腰椎が中間の位置になるように意識します。
フィードバックを活用
体の動きを確認しながら、正しい姿勢をキープします。
簡単なトレーニング例
直立座位(アップライトシッティング)
椅子に座り、背筋を伸ばして骨盤を立てた姿勢を保ちます。
これだけでも深層多裂筋が刺激されます。
四つ這いでの骨盤ロッキング
四つ這いの姿勢をとり、骨盤を前後に軽く動かします。
動きをコントロールしながら行うことで、深層多裂筋を鍛えることができます。
深層多裂筋を鍛えることで得られる効果
深層多裂筋を鍛えることで、次のような効果が期待できます。
• 腰椎の安定性が向上し、腰痛が改善される。
• 正しい姿勢が保ちやすくなる。
• 日常生活やスポーツでのパフォーマンスが向上する。
まとめ
腰痛を改善するには、深層多裂筋を意識的に鍛えることが重要です。
ただし、正しいフォームでトレーニングを行わないと、逆に腰に負担をかけてしまうこともあります。
無理のない範囲で、日常生活に取り入れやすい方法から始めてみましょう。
腰痛改善に関心がある方は、ぜひ今回ご紹介した方法を試してみてください!
【参考文献】
隈元庸夫,腰部多裂筋に対する評価とmotor control training:理学療法ジャーナル 第55巻 第6号, 2021年6月15日発行.
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