野球をしていると「肘が痛い」「投げるときに違和感がある」という悩みを抱えている方、多いのではないでしょうか?
実はその原因、手の筋肉が関係していることをご存じですか?
今日はその仕組みについて、わかりやすく解説します!
投球障害と手の筋肉の関係
野球肘(特に「内側型野球肘」と呼ばれるもの)は、投球時に肘に大きな負担がかかることで発生します。
特に、以下の2つのタイミングで肘に大きなストレスがかかります。
1. 腕を大きく振りかぶったとき
2. ボールをリリースした瞬間
このとき、肘の負担を軽減するためには、肩や体幹の動きを工夫することがよく提案されています。
しかし、それだけでは解決しないケースがあります。
ここで注目したいのが、手の中にある小さな筋肉「手内在筋」です。
手内在筋って何?
手内在筋は、手の中にある小さな筋肉のことです。例えば次のような筋肉があります。
• 虫様筋(ちゅうようきん):指の動きを調整する筋肉
• 骨間筋(こっかんきん):手の握る力に関与する筋肉
• 小指球筋群(しょうしきゅうきんぐん):小指の付け根にある筋肉
これらの筋肉が弱いと、正しくボールを握れなくなり、腕や肘に余計な負担をかけてしまいます。
なぜ手内在筋が重要なのか?
手内在筋がしっかり働いていないと、以下の問題が起こります。
浅指屈筋(せんしくっきん)への負担が増える
浅指屈筋は手首や指を曲げる外側の筋肉ですが、これに頼りすぎると肘の痛みにつながる可能性があります。
ボールをしっかり握れない
特に小指の力が弱いと、ボールが安定せず、リリース時のフォームが乱れます。
肘の外反ストレスが増える
肘に余計な力がかかり、内側型野球肘のリスクが高まります。
これらは、手内在筋がしっかり働かないことで、手外在筋(例えば浅指屈筋)に頼りすぎることが原因です。
手内在筋が弱いと、浅指屈筋に負担がかかりすぎ、肘の痛みを引き起こしてしまうのです。
次回:手内在筋を鍛えて投球障害を防ぐ方法
肘の障害を防ぐためには、手内在筋をしっかり鍛えることが重要です。
次回のブログでは、簡単にできる手内在筋のトレーニング方法をご紹介します!お楽しみに!
【参考文献】
栗田 健,手内在筋と投球障害 ボールリリース時の手の機能から内側型野球肘障害を考える:理学療法ジャーナル 第55巻 第6号, 2021年6月15日発行.
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