こんにちは!今日は、野球のピッチャーにとって超重要な「肩の筋肉トレーニング」のお話です。
特に注目するのは、「回旋筋腱板(かいせんきんけんばん)」という、肩の中にある小さな筋肉たち。
「なんか難しそう…」と思ったあなた、大丈夫です!
この記事では、できるだけわかりやすく、ピッチャーの肩に何が起こっているのか、どうトレーニングするのかを解説していきます。
ピッチャーの肩にはどれだけの負担がかかっている?
プロ野球のピッチャーは、1年間で何千回もボールを投げます。
試合だけでなく、練習やキャッチボールも含めると、投球数はかなりのもの。
たとえば…
- 先発ピッチャーは年間約23~24試合登板
- 1試合100球近く投げる
- 中継ぎ投手だと年間60~90試合に出ることもある
この膨大な投球数により、肩の筋肉や関節には大きなストレスがかかります。
特に注目すべきが「回旋筋腱板」です。
回旋筋腱板ってどんな筋肉?
回旋筋腱板は、肩の深いところにある小さな筋肉のグループです。
主に次の4つで構成されています。
- 棘上筋(きょくじょうきん)
- 棘下筋(きょくかきん)
- 小円筋(しょうえんきん)
- 肩甲下筋(けんこうかきん)

これらは、肩の動きや安定にとってとても大事な筋肉。特にピッチャーが速い球を投げたり、投げた後に腕を支えたりする時にフル稼働します。
投球動作では、どんな負荷がかかっているのか?
ある研究によると、ピッチング中の肩関節には以下のような負荷がかかるそうです。
- 加速する時(腕を振り出す瞬間):肩のスピードは1秒間に7000度以上も回転!
- 減速する時(投げ終わった直後):肩には体重以上の引っぱる力が加わる!
さらに筋肉の働きもかなり激しい。
例:
- 棘下筋:約74%の力で収縮
- 小円筋:約84%
- 肩甲下筋:なんと115%(自分の限界以上)
こんなに負担が大きいからこそ、きちんとトレーニングしないとケガにつながってしまいます。
「肩だけじゃダメ」全身のバランスも大切!
ただし、回旋筋腱板だけ鍛えればいいわけではありません。
肩をうまく使うには、肩甲骨や胸のまわり、体幹など、他の関節や筋肉の働きも必要不可欠。
ピッチャーの肩のケガを予防するためには、「肩+全身」のバランスが大事なんです。
次回予告(後編)
後編では、実際にどんなふうに回旋筋腱板をトレーニングしていくのか?
ケガからのリハビリにはどんな工夫がされているのか?
という点を、わかりやすく解説していきます!
【参考文献】
岡田匡史, 野球における回旋筋腱板トレーニング:理学療法ジャーナル 第55巻 第6号, 2021年6月15日発行.
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